茶の湯釜の名器、芦屋釜の製作が途絶えてからおよそ400年。 今に残る芦屋釜は、その美しさと技術の高さから、至高の名品として国指定重要文化財の多くを占めています。 若き日の夏、偶然の出会いから、そのようなことも知らずに釜造りの道を歩み始めました。室町時代に造られた芦屋釜を見る度に、ただただ先人の技量に感服し、その復興を担う重責に悩むこともありました。 無我夢中で先人に近づこうと製作に取り組み、早四半世紀の歳月が流れました。 この度、芦屋釜復興に取り組む中で、工房を設立し独立する運びとなりました。 駆け出しの職人ではありますが、願わくは皆様のご指導、ご叱正を賜りますよう、腹心よりお願い申し上げます。
令和四年令月吉日